普段何気なく行なっているクレンジングや洗顔。 しかし、お手入れの中でも肌への負担が最も大きく、間違った洗顔料選びや洗い方が肌トラブルの原因になることも。
今回はダメージを最小限に抑えながら不要なものをしっかり落とし、後に使う化粧水や美容液を浸透しやすくする正しい洗顔法についてご紹介します。
INDEX
「洗顔」は大切な第一ステップ
「疲れてついついメイクしたまま寝てしまった」、「乾燥が気になるから水ですすぐだけ」・・・。 時々そんな話を聞きますが、洗顔はお手入れの大切な第一ステップなので、きちんと行うことが大切です。
洗顔の一番の目的は皮脂などの不要な油分を取り除くこと。 古い油は酸化して肌を老化させる大きな要因となります。 一日中顔につけていたメイクは、夜クレンジング+洗顔料でしっかりオフしなければなりません。
また、乾燥肌などの人に多い「朝は水ですすぐだけ」というのも実はNG。 寝ている間にコップ一杯の汗をかくといわれており、分泌された皮脂汚れは水だけでは落ちません。 基本的にはどんな肌質の人でも朝晩2回、洗顔料を使ってしっかりと油汚れを取り除くことが正しいお手入れ方法です。
クレンジングと洗顔ってどう違うの?
クレンジングの役割とは?
クレンジングは油汚れ(メイク)を落とすもの、洗顔料は皮脂などの汚れを落とすものです。 おしろいのみという人は洗顔だけでも大丈夫ですが、軽くであってもファンデーションを使ったメイクをしている場合は、油汚れを落とすためのクレンジング料を使いましょう。 特に最近のファンデーションは粒子が細かく、汗などで落ちないようにフィット感や落ちにくさが格段にアップしているため、クレンジング料を使ってしっかりと落とす必要があります。
ポイントはたっぷりのクレンジング料を顔に丁寧になじませること。 リンパの流れに添ってクルクルとマッサージするように手を動かすことで、老廃物を流しながら効果的にクレンジングすることができます。 そして、しっかりとメイクを浮かせたらぬるま湯で軽く洗い流しましょう。
「クレンジングだけ」は汚れを肌に残したままになる可能性大!
乾燥を気にして「クレンジングだけにしている」という人が時々いらっしゃいますが、それはむしろ逆効果。 クレンジング1回で済ませようとすると、どうしても過剰に肌をこすってしまい、肌に大きなダメージを与えかねません。
また、クレンジング料はメイクなどの皮脂汚れとなじんで肌から「浮かせる」ことに特化しているため、いくらぬるま湯ですすいでも肌表面に残った「汚れ」やクレンジング料をしっかり洗い流すためにも、クレンジング後の洗顔は必須。 クレンジングは「メイクなどを浮かせ肌から遊離させるもの」、洗顔料は「皮脂や汚れを荒らし流すもの」と認識し、必ずダブル洗顔を行いましょう。
洗浄成分は大きく2種類
クレンジング同様、洗顔料にも様々なタイプがあります。
大きくは洗浄成分がステアリン酸やオレイン酸などの「脂肪酸」とカリウムやナトリウムなんどの「アルカリ」を反応させたいわゆる石けん成分のものと、合成界面活性剤のものの2種類に分けられます。
一番の違いはお湯で洗い流した後。 「脂肪酸」と「アルカリ」からなる洗浄成分は分解されて肌に洗浄力が残りませんが、合成界面活性剤はお湯では分解されないため、肌に洗浄力が残る可能性があり、刺激の原因となることも。 脂肪酸とアルカリからなる洗浄成分は固形石けんに多く使われています。 「石けんが肌に優しい」と言われているのはこのためです。
ただし、固形石けんは常に外気や湿気にさらされた状態になるため、酸化などによって成分が劣化する可能性があります。 そのためできるだけ水気のない場所に保管するなど工夫が必要です。
間違った洗顔のやり方とは?
間違った方法で洗顔している場合、早めに正しい方法に直さなければ肌の状態が悪くなる恐れがあります。 ここでは間違った洗顔のやり方を紹介するので、同じ方法で顔を洗っている場合はすぐに変えることをおすすめします。
間違った洗顔としてまず挙げられるのが、冷水で洗う方法です。 毛穴が引き締まるからという理由で冷水を使って洗顔する人がいますが、洗顔の際に毛穴が締まると毛穴の奥の汚れが落としにくくなります。 急激に冷やすことで肌もダメージを受けるので、洗顔の際はぬるま湯を使うようにしましょう。
温度の低い冷水を使うと、皮脂や角質の汚れが落ちにくくなるというデメリットもあります。 皿洗いのとき、水よりもお湯を使ったほうが油汚れが落ちやすいことを考えればわかりやすいでしょう。
冷水と同じように、熱湯で顔を洗う方法もおすすめできません。 熱いお湯を使うと確かに汚れは落ちやすくなりますが、落ちすぎる点が問題です。 皮脂にはよくないイメージがつきまとっていますが、実は肌を守るためのいくつもの役割を担っています。 水分の蒸発を防いで保湿する、肌を弱酸性に保って細菌の繁殖を予防するなど、皮脂には数多くの役割があります。
健康的な肌を維持するためには、洗顔後も最低限の皮脂を残す必要があるのです。 熱湯で洗うと本来は肌に必要な皮脂まで落としてしまうので、やはりぬるま湯を使うのが賢明です。
次に、力を入れて洗う方法も避けてください。 皮脂汚れが気になる人は、ついごしごしと顔を洗ってしまうこともあるでしょう。 しかし、力強く洗ったからといって肌の汚れを完全に落とせるわけではありません。
また、強くこすることで肌にダメージを与え、毛穴の開きや乾燥、肌荒れといったトラブルにつながる恐れもあります。 洗顔はこすらずに優しく行うのが鉄則なので注意しましょう。
顔を洗った後、すすぎを簡単に済ませている人も注意が必要です。 肌に優しい成分のものでも、洗顔料が肌に残るとトラブルのもとになります。 洗顔後に塗る化粧水や保湿クリームなどの成分も浸透しにくくなるでしょう。 泡で顔を優しく洗った後は、成分が残らないようにしっかりとすすぐことを心がけてください。
顔を清潔に保ちたいと考え、頻繁に洗顔をしている場合も気を付けなくてはなりません。 脂性肌でテカリが気になる人など、つい洗顔をやりすぎてしまうケースがあります。
しかし、過剰な洗顔は肌に必要な皮脂まで落としてしまうため、乾燥肌や肌荒れといったトラブルを招きます。 皮脂がなくなることで乾燥を抑えるために肌が過剰に皮脂を分泌し、脂性肌が悪化する恐れもあるでしょう。 このように、皮脂汚れが気になるからといって洗顔をしすぎるのは賢明ではありません。 よほどの事情がない限り、洗顔は朝晩の2回にとどめておきましょう。
洗顔料を泡立てずに使うのも間違った洗顔方法です。 洗顔料を毎回泡立てるのは手間がかかりますが、泡はクッションの役割を果たして肌のダメージをやわらげてくれます。 泡立てないままだと皮脂汚れも落ちにくくなるため、洗顔料はしっかりと泡立ててから使うようにしましょう。
泡を立てるのが苦手な人には泡立て用のネットをおすすめします。 短時間できめ細かい泡を作ることができるでしょう。 ただし、雑菌が繁殖しないように気を付けながら管理することが大切です。
洗顔に時間をかけすぎているときも方法を見直す必要があります。 洗顔の時間が長引くと肌の負担が大きくなり、乾燥などにつながりやすくなります。 なるべく肌にダメージを与えないように、1分以内を目安に洗顔を済ませるようにしましょう。
洗顔方法を間違い続けるとどうなる?
間違った洗顔方法を続けると、肌にダメージが蓄積されていきます。 皮脂汚れが十分に落とせず、ニキビなどのトラブルにつながる場合もあるでしょう。
また、反対に皮脂を落としすぎて肌が水分を保持できなくなり、乾燥肌やシミなどに悩まされる恐れもあります。 間違った洗顔方法で肌が荒れると、化粧品に含まれている美容成分も浸透しにくくなります。 どれほど効果の高い成分が配合されていても、必要な部分まで届かなければ意味がありません。 肌の新陳代謝のスピードは年齢を重ねるほど遅くなり、受けたダメージの回復も次第に遅くなっていきます。 なるべく早い段階で間違いを自覚し、正しい洗顔方法を心がけて肌の土台を整えることが大切なのです。
正しい洗顔料の選び方とは?
洗顔では、自分に適した洗顔料を選ぶことも大切です。 肌質や配合成分など、何を重視するかによって洗顔料の選び方も変わってくるため、ポイントを押さえておきましょう。
肌質から洗顔料を選ぶ場合、脂性肌なら石けん系、乾燥肌ならアミノ酸系がおすすめです。 石けん系の洗顔料はしっかりとした洗浄力が特徴で、洗顔後の肌はさっぱりした状態になります。 泡立ちがよく、洗浄成分が肌に残りにくいことも特徴です。 石けん系の洗顔料には、ラウリン酸やパルミチン酸、ステアリン酸などが含まれています。
アミノ酸系の洗顔料の特徴は、洗浄力が弱めで洗顔後もある程度皮脂を残してくれることです。[ 洗顔後は肌がしっとりとしており、肌に優しいタイプだといえます。 汚れはしっかり落としたいが必要な皮脂は残しておきたいという人は、石けん系とアミノ酸系の洗浄成分が両方含まれた洗顔料を選ぶとよいでしょう。
使いやすい形状で洗顔料を選ぶ方法もあります。 バリエーション豊富なチューブタイプ、石けんに多い固形タイプ、酵素洗顔で多いパウダータイプなどがあるので、好みの形状の洗顔料を探してみてください。
配合成分で洗顔料を選ぶのも一つの方法です。 シミが気になるなら美白有効成分が配合されたものを選ぶなど、悩みに合った商品を使用しましょう。 また、肌荒れが気になる人にはトコフェロールが配合された洗顔料がおすすめです。 トコフェロールはビタミンEの一種で、血行を促進させて肌荒れを改善する効果が期待されています。
洗顔Q&A
泡は立てるほどいい?
泡は、肌と指が直接触れて摩擦を引き起こすのを防ぐクッションの役割を果たしてくれます。 ダメージを防ぐためにも適度ば泡は必要ですが、泡が多ければ多いほど良いという訳ではないので、こだわりすぎる必要はありません。 キメ細かく、くずれにくい泡が理想です。
ピーリングってお肌を傷めないの?
AHA(フルーツ酸)やサリチル酸、角質柔軟ペプチド等を配合した洗顔料は、角質を無理やり剥がすものではなく、不要な角質をゆるめ、乱れた角質を整えるものです。 敏感肌の方でも使えるものもありますので上手に取り入れましょう。 なお、洗顔は「汚れを落とす」ことに主眼を置き、保湿に関しては洗顔後に使う化粧水や美容液などでしっかり行うほうが、はるかに効果的です。
洗っても洗っても、ザラザラ残る角栓はどうしたらいいですか?
ゴシゴシ何度も洗ったり、爪を立てて無理やり押しだすのは毛穴が広がってしまうためNG。 角栓の原因は、皮脂の汚れや古い角質のつまりです。 まずは、丁寧な洗顔を欠かさず行い、不要な角質を肌に溜めないこと。 1週間~1カ月毎にゴマージュなど余分な角質除去もおすすめです。
また、念入りな保湿ケアで開いた毛穴を引き締めることも忘れずに。 時間をかけて辛抱強くケアすることが毛穴を目立たなくする近道です。
美容成分たっぷりのほうが肌に優しい?
洗顔料などに配合された美容成分は、すすぎの際にほとんど流れ出てしまうため、あまり意味がないと考えられています。 うるおいを補うというより、保湿成分をとりすぎず、うるおいを守って洗うことが大切です。
正しい洗顔のやり方を押さえておこう!
洗顔は毎日行うからこそ、正しい方法を理解することが大切です。 冷水や熱湯で洗うなど、間違った洗顔方法を続けると肌の状態が悪化し、乾燥などのトラブルを招く恐れがあります。 取り返しがつかなくなる前に、正しい洗顔方法で美しい肌の土台を整えましょう。