顔の中で女性が最も気にしている部分。それは目もとの印象です。 自分で鏡を見る時、また人と話す時には、まず「目」を見ることが多くありませんか?
特に見た目の印象を大きく左右する目もと。年齢とともに目の下のたるみ、シワが目立ってきた、まぶたが下がって目が小さくなった、クマが若いころからとれない、など、目の周りのお悩みでクリニックにいらっしゃる方は、男女問わずたくさんいらっしゃいます。
一方でお悩みはあってもお手入れは?となると、特別にはなさっていない方が多いのが現状です。 目の周りは大変デリケートな部分なうえ、症状や原因は人それぞれ。 自宅でできるお手入れからクリニックでの治療まで、様々な対策があります。
ぜひ今一度ご自身の目もとをよく観察して、症状に適したケアを選んでください。 手をかけてあげることで、ワンランク上の若々しい目もとを保つことができます。
INDEX
目もとに線が入るだけで・・・
知っていますか?目もとに悩みが集中する理由。
寝不足によるクマや、疲労によるむくみ、そして顔の骨格や表情の癖、さらに老化に伴い長時間かけて定着したシワやたるみなど、様々なトラブルが起きる目もと。 その原因は、まず顔の中で皮膚がもっとも薄いことにあります。 厚さはたったの約0.5mmしかありません。
また、目もとの皮膚は皮下脂肪が少なく、皮脂腺も非常に少ないため、ハリ・弾力を維持しにくい上に、水分保持能力がとても低いという特徴をもっており、そもそも非常にダメージが出やすい部分なのです。 そのうえ、1日に2万回もするまばたきや目のピント調整機能のために筋肉は常に酷使され、疲労が蓄積しています。
特に女性は毎日のメイクのオン・オフで、摩擦による色素沈着を起こしやすい環境です。 このように、目もとはたるみやシワ、クマなど様々なトラブルを同時に抱えていることが多く、またその原因も複雑に絡み合っています。
目にたるみができる原因とは?
たとえば多くの方が悩まれる目の下にたるみができる原因には、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、脂肪タイプ。加齢とともに目の周囲の筋肉が衰え、脂肪が前に出ることによって起こります。 もう1つは、水分の滞留によって起こるむくみです。筋肉のゆるみや皮膚のハリがなくなることで、毛細血管からの水分の浸出量が増加し、水が溜まるのではないかと考えられています。
また、非常に多く聞かれる、昔に比べて目が小さくなったという声。 実は眼瞼下垂という目を開きにくくなる病気の可能性があります。
これは先天性と後天性があります。 後天性の場合、加齢に伴う弾力繊維のたるみ、まぶたを引き上げる眼瞼挙筋の衰えや、目の酷使が原因。 つまり、パソコンや携帯電話など目を酷使する現代人は、ますますかかりやすい症状でもあるのです。 二重の幅が狭くなった、アイラインが引きにくくなったと感じたら眼瞼下垂が始まっているかもしれません。
目もとのトラブルを起こしにくくするためには目の周りに特別なひと手間をかけてあげることが大切ですが、症状によっては治療を用いた方が適切な場合も多々あります。 気になるトラブルが出てきたら、自己判断ではなくぜひ医師にご相談ください。
あなたの目もとはどのタイプ
【青クマ】
▽状態
目の下に青みがかかっている状態。
▽原因
ストレスや眼精疲労、生活習慣の乱れ、冷えなどによって起こる血行不良が原因。
目の周りは血液量が多いため、血流の流れが遅くなると鬱血状態になり、さらに皮膚が非常に薄いため青く透けて見える。
色白の方に特に多い。
▽対策(自宅ケア)
目の周りのマッサージや、湯船に浸かる、ホットタオルで温めるなどの血行促進。
▽対策(治療法)
レーザー治療
【茶クマ】
▽状態
洗顔しても、よく寝ても、いつも目の周りが黒ずんでいる状態。
▽原因
アイメイクや、それを落とす際の強い摩擦、刺激によって起きる色素沈着が原因。
▽対策(自宅ケア)
美白効果のある化粧品を使用する、日焼け止めを塗る、メイクオン/オフ時に摩擦や刺激を与えない。
▽対策(治療法)
光治療、外用薬(ハイドロキノン、トレチノイン)
【たるみ】
▽状態
目もとにたるみができ、線が入ってしまっている状態。
▽原因
脂肪タイプ:老化により目の周囲の筋肉が衰え、脂肪が前に出ることによって、たるんだ状態。男性に多い他、目の大きい人や、頬骨が張っている人に起こりやすい。
むくみタイプ:筋肉の衰えや皮膚の弾力性の低下により、毛細血管からの水分の浸出量が増加し、たるみの原因となる。
▽対策(自宅ケア)
脂肪タイプ:アイクリームを使った目もとのマッサージがおすすめですが、一度できてしまうとスキンケアのお手入れが難しいのでマッサージで予防を。
むくみタイプ:むくみ対策アイクリームを使用したマッサージ。
▽対策(治療法)
脂肪タイプ:ゴルゴラインといわれる鼻筋から斜め45度下に向かっていく線へのヒアルロン注射。
むくみタイプ:ヒアルロン酸注射。
【眼瞼下垂】
▽状態
まぶたが垂れ下がり、開きにくくなる病気。
▽原因
先天性のものと後天性のものがある。
加齢に伴う弾力繊維のたるみ、まぶたを引き上げる眼瞼拳筋の衰え、パソコン機器などの長時間使用による目の酷使。
▽対策(自宅ケア)
コンタクト使用時間の短縮やパソコンから離れるなどして目を休ませる。
目を見開く癖を止める。
軽い目の周りのマッサージ。
▽対策(治療法)
目瞼下垂手術、額のボトックスにより目が開きやすくなることも。
【深いシワ】
▽状態
表情の動きでできる浅いシワが積み重なり、しっかり刻まれた状態。
▽原因
加齢に伴うコラーゲンなどの弾力繊維の質、量の低下。乾燥。
▽対策(自宅ケア)
シワ対策アイクリームを使用したマッサージ。2日に1回のローションマスク。
▽対策(治療法)
ボトックス注射、レーザー注射、ヒアルロン酸注射。
実は知らない。正しい目もとのお手入れ術!
Q. しっかり寝ても取れない青クマ。何か対策はありますか?
A. 疲れて見える朝クマは、睡眠中の体温が低いことが原因。メイク前にホットタオルで血流を促せば、清々しい朝の顔に。
Q. クリームを使っているのですが、アイクリームも必要ですか?
A. 目の周りは頬の皮膚と異なり、薄く、老化しやすい上にトラブルも起きやすいため、お手入れも特別に行うことが効果的です。アイクリームは肌により優しく、目もとのお悩みにより特化した成分が入っているので、シワ、たるみ、クマなど悩みに合ったものを選んで取り入れましょう。
Q. 下がったまぶたや目尻に、効果的な裏技はありますか?
A. 耳の上にある側頭筋は目、額、頬といった顔の表情を作る大きな筋肉と繋がっていて、フェイスリフトのオペ箇所となるところ。目もとのお手入れ前にほぐすことで、目尻が上がり、目もとがすっきりします。
Q. アイクリームの効果的な使い方はありますか?
A. 目もとの老化は、目の周りの筋肉だけではなく、顔の中で唯一引き上げる動きをする額の筋肉が関係しています。目の周りからまゆ上まで塗ることを習慣にすることがポイントです。
目もとケアは毎日のお手入れから
目もとケアには、毎日のお手入れの積み重ねや生活習慣の見直しが重要です。
一度悩みが出てしまうと、なかなか対処しずらい目もと周り。
正しいスキンケアを日課としたうえで、予防していきましょう。
多忙な日々を送っていらっしゃると思いますが、大切なあなたの目もと。 たまには目を休ませてあげましょうね。