【齋藤 薫の老けない人。老けない話。】Vol.49 〝歳を取らなくてもいい時代〟に、私たちはちゃんと間に合った。それを知っておくことが最強のエイジングケア。

2022.07.16

【齋藤 薫の老けない人。老けない話。】Vol.49 〝歳を取らなくてもいい時代〟に、私たちはちゃんと間に合った。それを知っておくことが最強のエイジングケア。

前回のこのコラムでも、若く見える人と老けて見える人の違いについて語ったけれど、実はもう一つ、知っておくべきことがある。

  それは〝知っているか知らないか〟の差。今の時代「人はどれだけ若くいられるのか?」という現実を知らないと、それだけで大きな損をするという話をしたいのである。

  今や情報は溢れていて、とりわけ化粧品や美容に関しては、到底追いきれないほどの飽和状態が続いている。逆にそれがストレスになって、もう見ないようにしている人もいるのかもしれない。それはそれでいいと思う。情報に振り回されて、クタクタに疲れてしまうようでは本末転倒。必要のない情報もまた溢れているのだから。

  ただ絶対に知っておいてほしいことが一つある。それは、エイジングケアの進化。いやそんな当たり前のこと?と言うかもしれない。化粧品が日夜開発の手を止めていないこと、美容医療も確実に進化を遂げていること、なんとなく誰もが知っている。でもそれによって今、現実に何が起きているのか、その真実までは多くの人が知らないはずなのだ。

  結論から言うならば、ここ数年でエイジングケアの事情は劇的に変わり、本当の意味で歳を取りたくなければ取らずにいられる時代になった。単純にシワは化粧品で消えるように なってきたし、解決が最も難しいとされてきたたるみも、化粧品と美容施術で確実にケアできるようになり、これは美容の長い歴史においても最もエポックメイキングな出来事。

  特に化粧品で本当の若返りは難しいのではないかと考えていた人が多い中、事情ははっきりと変わったことをしっかりと伝えたいのだ。 一方で、美容医療の進化もめざましく、自然な若返りはいくらでも可能な時代。それを知っているか知らないかで、運命は大きく変わってくる。知らずにこれからの人生を生きていく人は、人生レベルの損をする、そう言いたいのである。人生100年時代へ向け、いよいよ人が歳を取らない時代の始まりであると。

  ハリウッドでも、エリザベス・テイラーやキム・ノヴァクなど20世紀に一世を風靡した女優たちは、やはり若返りに苦しんだ。美容整形も未熟な時代だったから、アンチエイジングすればするほど不自然となり、本来の美しさは残念ながら失なわれたと言っていい。でも今、メリル・ストリープやヘレン・ミレン、シャーロット・ランプリングなど、21世紀の70代は驚くほど自然な若さを保っている。つまり20世紀のマチュア世代は、そうした新しい時代のエイジングケアに充分間に合ったと言うことなのだ。

  歳を取ることは、時代を問わずすべての人に同じ様に訪れる運命。でもエイジングケア次第で、運命は変えられる時代になったと言い切れる。なのに、以前のように最初から諦めていたら、あまりにもったいない。 意識の違いが若さの違いになることはこれまでも何度も語ってきた。でも意識だけではやっぱり限界があるとの考え方も、なくはなかった。意識だけでほんとに若返られるの? そういう疑問を持つ人も少なくなかったはず。でも、それを現実にするリアルな手段が整い、手に入れられる時代になったことを、ちゃんと知っておきたいのだ。

  ともかく私たちは、本当に人に歳を取らせないエイジングケアに、間に合ったとても幸運な世代、それを決して忘れないでほしい。

  知っておくだけで、意識が変わる。いざとなれば手段はいくらでもある。そういう時代になったのを忘れないこと。それが今最も重要なエイジングケアだと言えないだろうか。

  • 齋藤薫 / saito kaoru

    美容ジャーナリスト。
    女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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