でもさすがに40代に入る頃には、食べたら食べただけ肉がつくようになった。そして40代後半からはダイエットしても痩せなくなった。
さらには、更年期に差し掛かってからは、なんだか大して食べなくても太るような気がしていた。
“年齢とともに代謝が悪くなる”とはまさにこういうこと。
そして更年期からホルモンバランスが崩れることにより、いわゆる“中年ぶとり”になるとはまさにこういうこと、と痛感させられた。典型的な太り方であると。
そして、50代からはまるでダイエットが趣味のようになってきて、毎日ダイエットを考えつつ食べ物を我慢したり、気まぐれに体操したり。それでも体重は一向に減らなかった。
そこでアドバイスされたのが、その年齢になると、何か劇的に生活を変えないと決して痩せないということ。
そこで行き着いたのが、砂糖抜き。私のデスクには常にお菓子が溢れていて、今思えばのべつまくなし何かしら口に入れていた気がする。
ダイエットが趣味なのに?いや私がやっていたのは、それこそ“カロリーを意識して食べるダイエット”で、何を食べるにしても、きちんと確認、カロリーの高いものはなるべく避けるという非常に曖昧なダイエットであった。
カロリー低めのものでも、たくさん食べたら同じこと。
しかもこの頃は糖質と言うものはあまり意識していなかった。なんと中途半端な!
言うならば、気休めに過ぎないものだったわけで、確かにドラスティックな変化が必要だった。
そこで一大決心したのが、甘いもの、砂糖由来のものを一切やめるということ。
いやもともとが、甘いものか油ものか、どちらかを徹底してやめるという究極の二者択一を自分に課したのだった。
油ものも大好きな自分が、悩んだ末に「やめるなら甘いもの」と決めたのは、日々の食事が貧弱になるのは嫌だから。
そして、砂糖そのものが体に悪いという説が当時にわかに浮上して、だったら砂糖を一切やめようという結論に。
すると、他には何もしていないのに不思議な位するすると3キロ痩せ、気がつけばピーク時よりも5、6キロも減っていたのだ。
若い頃の体重に近づき、さすがにもうこれ以上はいいだろうと、食事はもりもり、今もその体重をキープしている。
でもこれは、極めて重要なアンチエイジングだと言うことにも気づいていた。
まず、ウエストのくびれができると、がぜんオシャレしたい意欲が湧き上がり、それだけで華やいだ気分になるが、9号サイズの服が入るということは、それ自体がアンチエイジング。
10歳20歳若返ったような感覚が押し寄せるからなのだ。
貧弱になってしまうのでは意味がないが、体が引き締まって軽くなると、本当に心が若返る。
「太ったら、老けてはいけない」「老けたら、太ってはいけない」よくそんなふうに言われるけれど、しみじみそれって本当だと思った次第。
そして何より、砂糖を一切やめたことで、体の中まできれいになった気がしてきたこと。
実際に砂糖抜きは健康に極めて良く、精神的にも明るくなると言われるほど。こればかりは本当にやってよかった、決断してよかったと思っている。
そうこうするうちに、あれだけ好きだった甘いものを体が拒否するようになり、果物の甘さとメープルシロップなどの自然な甘さ以外はなんだか受け付けなくなっている自分がいた。
体って、不思議。いくつになってもやり直すことができるのだ。大人のダイエットはアンチエイジング。改めてそう伝えたい。